人生はギャンブル




夏休みにひと夏の恋とかいう甘酸っぱい思い出ができたわたしは冬を目前にした今、毎日を死んだように生きている。

体の関係だけで終わってしまった男の子のことが本当に死ぬほど好きだったらしく、今までにないくらい落ち込んでいる。

わたしは彼のことが好きだったのに、彼が見ていたのはわたしの体だけだった。世の中はそういう風にできている、と理解していたつもりだったけど、いざ自分の身に起きるとあまりの辛さにショックを受ける。

何がどうだったら良かったのか、何をどうすれば良かったのか、全然わからない。


今日、30手前のサラリーマンと話をして、わたしはやっぱり東京にいるサラリーマンが大嫌いだと思った。

わたしは、自分の都合の良いように物事を解釈するサラリーマン達としか関わったことがない。奴らはわたし達女を、可愛いと美人と巨乳と自分の好みと、それ以外に仕分けている。そしてそういう評価をわたし達に真っ直ぐぶつけてくる。

さっきの子の方が可愛いとか、俺はこっちがタイプだなとか、そういう自分の評価を聞くと、こいつらはわたしをただのメスとして見ていて、わたし自身のことは見ていないんだ、と思う。

たまに、可愛いとか美人とかモテるとか、そういう生まれ持った運の良さを羨ましく思ったり、自分もそういう判断基準で他人を見てしまうこともある。

でもやっぱり、素性も知らないサラリーマンにそこまで求めているわけではないけれど、わたしだって生きているし感情があるので、そういう言葉をぶつけられると、怒りとショックで精神的に大爆発してしまう。


最近は、誰かに愛されたいだとか、大事にされたいとか、そういうことばかり考えている。

両親は大事にわたしを育ててくれたし周りの人にも恵まれているのに、なのに何故か、無償の愛をわたしにくれよ、と思っている。


好きな人を、たったひと月の非日常生活と一緒に失ってから、頭がおかしくなってしまった。寂しいと愛情不足ばかりが頭に浮かんで、何をしても満たされない。

泣いても泣いても涙は止まらないし、タバコを吸い過ぎて具合を悪くしてしまう。

わたしは、自分が精神的ダメージを受けた時、予測不能な行動をするタイプだということを初めて知った。

自分を大事にしなくなったし、こんな自分は誰かを大事にするとか誰かに愛されるとか、そういう人にはなれないんだと、今本気で思っている。

いつかきっと、今の悩み事を思い出話にして笑える日がくるのかもしれないけど、それまで一体何リットル涙をこぼすか、何本タバコがなくなるのか、わからない。